禁煙後に10kg太っても死亡リスクは低下する

今日は禁煙のお話です。

 

オーストラリアWestern Sydney大学のBerheW. Sahle氏らは、禁煙後に体重が増加する人が多いことから、体重増加が禁煙のメリットを相殺するかどうかを調べるために成人を対象とするコホート研究を行い、たとえ禁煙後の体重増加が10kgを超えても喫煙者に比べると有意な死亡リスクの減少が見られたと報告した。結果は2021年4月27日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 

 

つまり、禁煙して体重が変化しようがしまいが、禁煙することにより死亡する危険性が減るという事です。

禁煙すると、体重が増える方が多いですが、それでも禁煙するメリットは大きいようですね。

やっぱりタバコは百害あって一利なしですよ。

頻尿、尿失禁には?

一日の尿の回数は10回以内が普通です。

ただ、尿が漏れたり、回数が異常に多くなったり、我慢できなったりすることを

過活動膀胱と言います。

西洋医学的には抗コリン薬で膀胱の活動を抑えて治療します。

効果は良いですが、副作用として消化管の活動も抑えてしまうので、便秘などの副作用が出ることがあります。

漢方的には“腎”を元気にすることで治療します。

西洋医学的な腎ではなく、漢方の”腎”は生殖器系、尿路系、骨格系などが含まれます。

加齢によりこれらが衰えることにより尿漏れが起こると考えます。

なので”腎”の衰えを防ぐ、補う漢方薬を使います。

代表的なものに、八味地黄丸(ハチミジオウガン)があります。

男性だと前立腺肥大にもよく処方されます。

ストレスによっておこる頻尿には清心蓮子飲も良く効きます。

お試しください。

 

腸内細菌叢に有害な食事とは?

成人1,425人の食習慣と腸内細菌叢との関連を検討

 普段から野菜や魚、食物繊維を豊富に摂取している人の腸内では炎症を抑える働きを持つ細菌が豊富である一方で、ファストフード好きの人の腸内では炎症を促進する細菌が豊富である可能性が高いことが、食習慣と腸内細菌叢の関連について検討した研究から明らかになった。フローニンゲン大学(オランダ)のRinse Weersma氏らによるこの研究は、「Gut」に4月2日掲載された。
 
最近腸内細菌ががん、認知症ふくめさまざまな病気の引き金になっていることが報告されています。
腸内環境を良い状態に保つことが健康維持に結びつきそうです。
野菜やナッツが良いという報告は多くされています。
意識して多くとるようにしましょう。
最近注目されているのは短鎖脂肪酸です。
あまり聞きなれない言葉ですが、これは腸内細菌が作り出す菌です。
原料となる食物繊維と、ヨーグルトなどの発酵食品で善玉菌をとるようにしましょう。

認知症と紛らわしい病気

認知症と紛らわしい病気はたくさんあります。

うつ病甲状腺機能低下症などなど。

本日外来受診された患者さんも物忘れとふらつが有るという事で受診されました。

頭部CTでは脳の委縮はありますが、アルツハイマー特有のものではなく、脳室の拡大が見られたので、正常圧水頭症を疑いました。

この病気は①ふらつく、②尿が近くなる、③物忘れ、が特徴として現れます。

とりあえず内科的治療開始して、ダメなようなら脳外科的手術が必要になりますが、

それで症状の改善がみられることが多いです。

物忘れには必ずこの病気も疑う必要がありますね。

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自律神経失調症とは?

自律神経って聞いたことがありますか?

その名の如く、自律して作動する神経のことで、自分の意思とは関係なく心臓、呼吸、消化、排泄、体温調節などいろんな働きをしています。

交感神経といって活動する神経と、副交感神経といって安静にする神経の2種類で働いています。

そのバランスが崩れて、どちらかが優位になるといろいろな症状が出現します。

頭痛、肩こり、めまい、動悸、胸の圧迫感、息が苦しい、胃もたれ、便秘、下痢、尿が出にくい、尿漏れ、微熱、不眠などなどです。

人それぞれ症状は異なり、弱いところに出現します。

いろいろ検査しても異常が見当たらない、いろんなところを受診しても異常なしといわれる、という時は自律神経の乱れのよる可能性が高そうです。

原因としてはストレス、寝不足、食生活の乱れ、更年期などが考えられます。

現代社会ではストレスをゼロにすることは難しいので、うまく付き合わないといけません。

西洋医学的には安定剤、睡眠薬、場合によってはSSRIという抗うつ剤が処方されます。

漢方医学的には気・血・水の中の気の乱れになります。

気が高ぶっていれば気を抑え、気が停滞していれば気を巡らせ、気が落ちていれば補う漢方を処方します。

気になる方は受診してみてください。

 

 

咽喉頭異常感症とは

喉頭異常感症とはのどに何かがある、何かが塞がってる、何かが詰まっている

などの違和感を感じることです。

ストレスなどの不安、うつ状態などでよくみられます。

実際、胃カメラなどで検査しても異常なく、耳鼻科などいろいろドクターショッピングするかも多いです。

西洋医学的には安定剤、SSRIなどを処方します。

漢方医学的には梅核気(ばいかくき)やヒステリー球として表現され、気の乱れとして現れることから、半夏(ハンゲ)という生薬で改善していきます。

代表的なものに半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)やこれに胃腸の働きをよくする茯苓飲(ブクリョウイン)を加えた茯苓飲合半夏厚朴湯(ブクリョウインゴウハンゲコウボクトウ)があります。

実際はこれに柴胡剤を加えるとよくなることが多いです。

症状ある方はお試しを。

 

 

花粉症の季節

2月も半ばになり、花粉症の季節がやってきました。

お悩みのことでしょうが、西洋薬、漢方薬いろいろ選択肢があります。

西洋薬も最近はいろいろな種類のお薬が登場しています。

眠気が全く無いもの、少し眠気があるけど効果が強いもの、貼付剤という飲み薬でなくて貼り薬などなど状況に応じて使い分けられます。

もちろん漢方薬もよく使用されます。

一般的には症状を抑える薬として小青龍湯(ショウセイリュウトウ)や苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)があります。

体力のある実証の方は前者を少し虚弱な方は後者が良く効きます。

体質改善によって元から治すことも可能です。

お悩みの方はどうぞ。