風邪の治療に対する考え方

そろそろ風邪の季節がやってきました。

風邪について考えてみたいと思います。

当院では風邪には積極的に漢方薬を処方しています。

発熱、咳、鼻水、悪寒などなどいろいろ症状はでますが、そういう症状は風邪のウイルスが体に入ってきたときの防御反応を示しています。

ウイルスは熱に弱いため初期には体が熱を出して対抗しようとします。

なので、この時期はむやみに解熱剤を使って熱を下げないほうが良いと考えられます。

漢方では風邪の時期によって三段階で薬剤の選択が異なります。

病初期の寒気の時期は、麻黄や桂枝の含まれている漢方を処方します。

これらの成分は熱産生効果があり飲むことにより、体温が上昇します。

さらに熱を出してウイルスを退治しようとすること狙っています。

結局初期には熱を出してあげたほうが、早く治ります。

うまくいけば一日、二日で完治します。

ウイルスの強さや、体の抵抗力などとの兼ね合いなどで、それで治らない場合、 二段階目に突入します。

この時期は寒かったり暑かったりする時期でウイルスが体内に入って悪さしていきます。

咳、痰、のどの痛みなどいろいろな症状が出てきます。

この時期には柴胡が含まれてる漢方を処方して対処します。

体力のあるなし、症状により合う漢方を選択していきます。

ほとんどはこの段階で治ることが多いです。

これで治らないと三段階目に入ります。。

こうなると細菌感染なども併発することが多いので西洋薬である抗生物質、解熱鎮痛剤なども処方していくことがありますし、場合によっては点滴が必要になることもあります。

こうなる人はお年寄り、不摂生、糖尿病などの持病持っていたり、抵抗力のない人がかかりやすいです。

こういう人には人参などの補剤が含まれている漢方を普段から飲んでおくと風邪をひかなくなっていきます。

 

手洗い、うがい、適度な保湿などに気を付けて冬に備えてください。