悪夢は現実の恐怖体験への備え?

悪夢は現実の恐怖体験への備え?


スイスの研究

 悪夢を見ると、現実の世界で直面する恐怖にうまく対処するのに役立つ可能性があるという研究結果を、ジュネーブ大学(スイス)睡眠・認知研究所のLampros Perogamvros氏らが「Human Brain Mapping」10月30日オンライン版に発表した。夢の中で恐怖体験をすると、現実に体験したときに恐怖心を抑えられるようになると考えられるという。

 Perogamvros氏は「夢の中の恐怖体験の誘発には、“島皮質”と“帯状皮質”と呼ばれる2つの脳領域が関与していることを突き止めた」と話す。なお、島皮質は目覚めているときに恐怖を感じると活性化し、帯状皮質は、恐怖を感じたときに起こる運動反応や行動反応を助けるように働くとされている。

 Perogamvros氏は「夢を見ることは恐怖体験への反応のトレーニングとなり、現実の生活で危機に直面したときの備えになると考えられる」と述べている。

 なお、Perogamvros氏らは、恐怖のレベルが中程度の悪夢(bad dream)と、非常に強い恐怖感で睡眠が妨げられ、目覚めても感情に悪影響をもたらすような悪夢(nightmare)では結果は異なると強調している。「夢の中での恐怖感が一定のレベルを超えると、感情を調節する役割としての有益性は失われてしまうと考えられる」と同氏は説明している。

 

時々怖い夢を見たりしますよね。

夢がひそかに現実の世界の恐怖体験のトレーニングになっているようです。

うまくできてますね、人間の脳って。