冷え性について

秋になり、朝晩寒くなってきました。

冷え性の方にはつらい季節ですね。

貧血や低血圧あるいは甲状腺機能低下症、更年期障害膠原病などいろいろ冷える原因はあるかと考えられますが、西洋医学的に原因があればまずその治療が優先されます。

それでも冷えが改善されない場合漢方の出番になります。

漢方学的には気・血・水のどこに原因があるかによってお薬を使い分けることになります。

気が停滞したり落ち込んだりした場合は柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンギョウトウ)や人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)などが用いられ、

血液の流れが滞る於血では当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)や当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)などが用いられ、

水の流れが悪い水滞や水毒では苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)や当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)などが用いられます。

ストレスによる冷えは気の乱れと考え、抑肝散(ヨクカンサン)や香蘇散(コウソサン)や半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)などもよく用いられ、また上記を組み合わせて治療します。

お悩みの方は一度お試しください。

 

重い布団に睡眠改善効果あり

8kgの鎖入り布団による不眠改善効果

双極性障害ADHDなどの不眠患者、初のRCT

 

 金属製の鎖を入れ、重みと体へのフィット感を高めた6-8kgの掛け布団を就寝時に使用することで、精神疾患を有する人の不眠症が改善したとする初のランダム化比較試験(RCT)の成績が報告された(J Clin Sleep Med 2020; 16: 1567-1577)。双極性障害や注意欠如・多動性障害ADHD)を合併する不眠患者120人の検討で対照群に比べ、不眠重症度指数(ISI)の大幅な改善が認められたという。

 

面白い発表ですね。

ある程度の重さのある布団の方が良い睡眠効果が得られるそうです。

安心できるためですかね。

羽毛布団を使用している方も多いかと思われますが、不眠でお悩みの方は試してみる価値がありそうです。

 

 

 

風邪の季節ですが咳は出ませんか?

季節の変わり目になり、昼と夜の温度差もあり風邪をひきやすくなる季節になりました。

今年はコロナの影響もあり、神経質にならざるを得ません。

また喘息の季節でもあり、咳が出やすくなります。

咳の原因として感染症のよるものなのか、あるいは喘息によるものなのか、あるいは喫煙者によくみられるCOPDによるものなのかまずは原因をはっきりさせる必要があります。

そのうえで、西洋薬、漢方薬を組み合わせながら治療していくことになります。

気管支炎には抗生物質、喘息にはステロイドの吸入が必要ですが、それ以外には漢方の出番もあります。

痰が切れにくい場合には麦門冬湯(ばくもんどうとう)、痰に加えて鼻水などが出る場合は小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、喘息がありそうな場合は麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)が用いられます。

COPD合併していて痰の量が多い場合は清肺湯(せいはいとう)、夜間にせき込みが多い場合は滋陰降下湯(じいんこうかとう)などが用いられます。

他には心不全などで、肺に負担がかかって咳き込む場合は木防已湯(もくぼういとう)も用いられます。

また、咳の出やすい人は”気”の乱れを伴っている人が多いことから、柴胡の入っている漢方で”気”を整えると咳が落ち着くことも多いです。

十分に気をつけましょう。

胃もたれしてませんか?

食欲の秋ですが、今年はコロナもあり外出が減り、おうちでついつい食べ過ぎることも多くなるようです。

胃もたれも起こしやすくなります。

西洋医学的には胃酸を抑えるH2ブロッカーやPPIなどを処方して、逆流性食道炎などを防ぎます。

また、消化剤も処方することも多いです。

漢方ではその人の体質や症状によりいろいろ使い分けることになります。

まずは虚弱な体質の方には六君子湯(りっくんしとう)、四君子湯(しくんしとう)、安中散(あんちゅうさん)を処方して胃の動きを活発にします。

食欲増進作用もあるため、体力増強も期待できます。

体力が中等度以上であれば四逆散(しぎゃくさん)、大柴胡湯(だいさいことう)などでメタボを防ぎつつ胃もたれを改善することが多いです。

胃もたれには精神的なストレスが影響することも多いため、抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)、加味帰脾湯(かみきひとう)などを処方します。

胃けいれんでは甘麦ダイソウ湯が即効性があります。

お悩みの方がおられましたら、一度お試しを。

更年期障害に漢方を!

更年期障害は閉経前後、女性ホルモンが減少し始めると出現することが多くなります。

一般的には45から55歳位に現れます。

症状は人それぞれですが、気・血・水のいずれの乱れによっても起こりえます。

頭痛や肩こりなどの”血”の乱れによるものや、のぼせ、ほてり、不眠などの“気”の乱れによるもの、めまい、耳鳴りなどの”水”の乱れによる症状がよくみられます。

もちろん閉経直後ではホルモン剤もよく用いられますが、漢方では症状に合わせて”血”の乱れには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが、また”気”の乱れには加味逍遥散(かみしょうようさん)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、また”水”の乱れには苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などを用いて、人それぞれに合った漢方を処方することが可能です。

お悩みの方はご相談ください。

夏バテしてませんか?

夏の暑さもそろそろ終わりを告げようとしています。

今年は特に猛暑で、エアコンをつけっぱなしにすることも多かったと思います。

すると、体がだるい、重い、食欲がない、頭痛、肩こり、めまいなど、いわゆる夏バテの症状が出やすくなります。

冷たいものの摂りすぎによって、胃腸の働きが衰えて、脾虚(ひきょ)という状態になります。

まず試してもらいたいのは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

体力、気力の低下を防ぎます。

体力のあるなしにかかわらず使えます。

少し高齢、体力低下が高度になると人参栄養湯(にんじんえいようとう)

貧血がある方は十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)が合うと考えられます。

更年期とかを合併されると加味帰脾湯(かみきひとう)もよろしいです。

いろいろ使い分けができますのでお試しください。

 

便秘してませんか?

便秘で悩まされていませんか?

西洋医学的には弛緩性(しかんせい)便秘と痙攣性(けいれんせい)便秘に分けられます。

弛緩性便秘は胃腸の運動機能の低下によっておこります。

運動不足や便の元となる食物繊維の不足が原因になります。

痙攣性便秘はストレスなどにより胃腸が緊張し痙攣様な動きを起こすため、コロコロの便になります。

両社が合併することも多いです。

根本的には食物繊維の多い食品をとり、適度な運動を心がけ、ストレスを発散させる事が必要です。

薬物ではマグネシウム製剤で便を柔らかくして便秘を改善さすることが多いです。

効果が薄い場合、いわゆる下剤を用いますが、あまり常用するのは良くありません。

大腸メラノーシスなどを起こすことがあります。

漢方ではまず大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)を使用します。

他にはストレスが原因の場合、緊張を和らげる柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、肥満だと大柴胡湯(だいさいことう)や防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などで内臓脂肪の減少を目指します。

更年期がある方は桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や加味逍遥散(かみしょうようさん)が便秘によく効きます。

常習便秘の方は一度お試しを。